この記事では、国家試験である「ITパスポート試験」の難易度、参考書、勉強方法、使用テキスト・問題集等についてご紹介します。以下の方には参考になるかもしれません。

ITパスポート試験は簡単な試験だにゃ。

うそだにゃ、必死に勉強してたろ。

まだ指導が足りないようね。
- 情報処理試験を受けてみたい。
- ITパスポート試験に興味がある。
- 学習時間、難易度を知りたい。
以前、たまたま組織の中でセキュリティ担当者なるもの?になったときに、興味本位で、セキュリティマネジメント試験を受験して記事を書きました。
なので、情報処理試験の入口にあたるITパスポート試験も試しに受験して記事にしようと思ったのが受験の動機です。
なお、私は新卒の時に情報処理試験(当時は一種、二種という名称でした。)を受験して合格しているのですが、その後はネットワークスペシャリストだけですね。
ITパスポート試験概要
ITパスポート試験について
ITパスポート試験は国家試験です。入口的な試験で受験者層が広いたいめ、情報処理試験では最も知名度が高いですね。
なお、情報処理試験全体の構成ですが、以下のようになっています。大別すると「ITを活用する者」、「情報処理技術者」に分かれていますが、ITパスポート試験は前者なので、相対的に難易度も低めです。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構HP
ITパスポート対象者像
ITパスポート対象者像は以下のようになっています。情報処理試験の入門的な位置づけですね。
職業人が共通に備えておくべき情報技術に関する基礎的な知識をもち、情報技術に携わる業務に就くか、担当業務に対して情報技術を活用していこうとする者
出典:独立行政法人 情報処理推進機構HP
期待する技術水準
ITパスポート試験で期待される技術水準は以下の通りです。ちょっと難しい感じもすると思いますが、試験自体はそれほど難しいわけではありません。
また、試験内容も後述の通り、多岐選択式(四肢択一)なので、解きやすいと思います。テキトウに選択しても25%の確率で正解できます。
計算問題を解く、文章を読ませて記述式の解答させるという情報処理試験の上位の資格のような問題は出題されませんので、学習すれば合格できる試験です。
①利用する情報機器及びシステムを把握するために、コンピュータシステム、データベース、ネットワーク、情報セキュリティに関する知識をもち、オフィスツールを活用できる。
②担当業務を理解するために、企業活動や関連業務の知識をもつ。また、担当業務の問題把握及び必要な解決を図るために、システム的な考え方や論理的な思考力をもち、かつ、問題分析及び問題解決手法に関する知識をもつ。
③ 安全に情報を収集し、効果的に活用するために、関連法規や情報セキュリティに関する各種規定に従って活動できる。
④業務の分析やシステム化の支援を行うために、情報システムの開発及び運用に関する知識をもつ。
⑤新しい技術(AI、ビッグデータ、IoT など)や新しい手法(アジャイルなど)の概要に関する知識をもつ。
出典:独立行政法人 情報処理推進機構HP
ITパスポート試験の試験日・会場
他の情報処理試験とは異なり、ほぼいつでも受験できます。ただ、座席が満席になってしまう場合があるので、めどがついたら早めに予約することをお勧めします。
また、受験日は3日前まではWebから変更が可能なので、早めに予約して万が一日程が合わなくなっても大丈夫です。私も仕事等で都合がつかなくなり2回ほど変更しました。
受験会場は、民間のラーニングセンター等を使用するため、自宅や職場から近い試験場を自分で選択することができます。
また、会場により異なりますが、3つの時間帯(午前・午後・夕方)で実施しているので、自分にあった時間帯を選択できるのも良いですね。
他の情報処理試験のように、自宅から遠い場所(主に大学)に行く必要がないのは助かりますね。受験日の早起きが不要になることは良い事です(笑)
<試験会場>
出典:ITパスポート公式HP
ITパスポート試験の出題内容・合格点
ITパスポート試験は、他の情報処理試験のように午前・午後のようにパートはわかれておらず、100問の多肢選択式(四肢択一)の問題を120分で解きます。
1問を1分位で解くことになりますが、一瞬で解答できる問題がほとんどです。なので、どれだけ知識があるかどうかで合格が決まります。
試験内容は以下のように、ストラテジ系(経営全般:35問程度)、マネジメント系(IT管理:20問程度)、テクノロジ系(IT技術:45問程度)から出題されます。
なお、合格点ですが、600点(1,000点満点)以上になっているので、60%以上得点できれば大丈夫です。100問のうち60問を正解できれば良いのですから、気が楽になりませんか(笑)
出典:ITパスポート公式HP
また、出題範囲は以下の通りです。広く浅くといった感じですね。
出典:ITパスポート公式HP
受験者数、合格率・難易度
受験者数と属性は以下の通りです。年々増えてますね。また、20代で社会人の方の受験が多い感じですね。
また、社会人で非IT系の受験者の方がIT系よりも多い理由ですが、おそらくIT系は基本情報技術者試験以上を資格手当等の認定基準にしているからではないかと思います。
私の会社でも、新人が研修後には基礎情報技術者試験を必ず受験・合格するように教育プログラムに入っていますね。私の時にはなかったです(笑)
出典:ITパスポート公式HP
ITパスポート試験の過去の合格率は、以下の通りです。大体60%位ということでしょうか。2人に1人以上が合格できる感じですね。
・社会人と学生別の合格率
出典:ITパスポート公式HP
・IT系、非IT系、学生内訳
出典:ITパスポート公式HP
・IT系、非IT系、学生内訳(グラフ)
出典:ITパスポート公式HP
ITパスポート試験は、情報処理試験の中では、もっとも入門的な試験です。また、問題も選択肢から選ぶ形式(四肢択一)です。
また、後述するように、テクノロジー(技術)問題だけが出題されるわけではなく、組織、マーケティング、会計、Excel等の一般常識系の問題も出題されます。
なので、文系の方でも社会人の方であれば、仕事等の経験等で、すでに持っている知識が非常に役に立つと思いますので、学習はそれほど苦にはならないと思います。
ITパスポート試験の受験資格
受験制限はありません。誰でも受験は可能です。
受験申込み・勉強方法
ITパスポート試験の申込み方法
ITパスポートの試験のHPで利用者IDを作って申込みします。受験料は、5,700円(税込)です。
ITパスポート試験のHPで試験を申し込む
他の情報処理試験と異なり、自分の好きな候補日から選べますし、一定期間前までであれば試験日の変更も可能です。
ITパスポート試験の勉強時間
勉強期間はだいたい、1ヵ月位だったと思います。合計で20時間位ですかね。週末に3~4時間位やりました。ITパスポートは上位の試験と比べると基本的な内容なので地道にやれば合格できます。
ただ、私はIT企業に勤務しているので新人研修のときにも情報処理試験の学習はしていましたので、2進数の計算や、論理図、ネットワーク、データベースの基本的な内容は理解しています。なので、本当の初学者の方はもう少し時間がかかると思います。
とはいえ、ITパスポート試験は受験した印象としては、一般常識に近い内容も結構出題されます。なので、IT関連の情報に興味をもって日々新聞、雑誌等を読まれている方は、結構合格に必要な知識は入っていると思います。
また、ここが重要な点ですが、ITパスポートは純粋にテクノロジーだけを問うのではなく、ストラテジ系、マネジメント系が半分以上含まれています。
社会人の方は仕事での経験上、組織論、マーケティング、会計、簿記、Excel等の知識が身についていると思います。学習前でも、過去問を見ると意外に点数取れそうだな、と感じると思います(笑)
ITパスポート試験の学習方法
選択式の問題なので、完全に暗記ものです。しかも基本的内容に関する用語等から出題されるので、ひっかけ問題はありませんし、消去法も使えます。
なので、基本的な参考書と過去問を繰り返せば、初学者の方でも合格点は比較的容易に狙えます。基本的には、後述するテキストを2~3回読み、問題集も2~3回解けば十分合格できると思います。
試験問題はある程度のパターンがありますので、基本的なテキストと過去問で慣れれば大丈夫です。なぜなら試験は、「選択式」かつ「60%以上取れれば合格」だからです。高得点は必要ありません。
あとは、新聞や雑誌等でもITに関連する記事を意識して読むと良いと思います。試験では、「ビッグデータ」、「インダストリー4.0」や「IoT」等の時事用語が出題されます。
なので、意外に日常の知識で解ける問題も結構あります。最近だと「AI」や「DX」等も良く見かけますよね。
ITパスポート試験の過去問を最初に確認
ITパスポート試験は、過去10年分位の過去問題と解答がHP上に掲載されているので、学習を始める前に最新の1回分だけでも眺めてください。
解説がないのはやや難点ですが、どのような問題が出題されているのかがわかりますので、どれくらい学習が必要なのかのイメージがつかめます。
これは意外に簡単にできそう、用語がわからない、選択問題だから思ったよりも解答が導ける等の試験のレベル感がつかめますので、参考書を読む前に見ておくことをお勧めします。
ITパスポート試験でお勧めの参考書
(全文PDF・単語帳&過去問アプリ付)徹底攻略ITパスポート教科書+模擬問題 令和2年度
この本は、用語や試験対策等について、テキストの余白にコメントのように書いてくれているので知識の習得が効率よくできます。また、適度に問題も含まれているので、そのまま試験対策にもなります。
なお、同じ著者の過去問題集もありますので、以下にお勧めしておきます。過去問題集は合格するためには、必ず使用した方が良いと思います。
ITパスポート試験でお勧めの問題集
(全文PDF・単語帳&過去問アプリ付)かんたん合格ITパスポート過去問題集 令和2年度秋期 (かんたん合格シリーズ)
この本は、5回分の過去問と頻出問題304問が収録されていて丁度良い分量ですし、解答も丁寧で分かり易いです。2~3回繰り返し解くには丁度良いですね。
情報処理試験は過去問を何回か解くことは必須です。何といっても繰り返し出題される内容が必ずありますからね。過去問題を解かないまま受験するのは、不合格の確率をかなり高めると思います。
ただ、最初から回答を見ながら読む方が効率が良いです。自分で解こうとしないで、こんな問題が出題されるのか、その時の回答はこんな感じの選択肢になるのか、を抑えることが大事ですね。繰り返しですが、試験は選択式なので問題に慣れることが大事です。
なお、テキストや問題集を少し安く購入したい場合には、Amazonだけでなくメルカリでも探して比較することも良いと思います。
メルカリのアプリは以下からダウンロードできます。書籍購入で10回位取引をしていますが、いまのところトラブル等はありません。
メルカリを使う際の注意点としては、①評価の高い方から購入すること、②送料は先方負担にすること、ですね。送料は着払いにすると、決済後に想定外の費用が発生するかもしれないので要注意です。
なお、新規会員登録の時に私の招待コード「JYTYRU」を入力して頂くと、特典として500円分のメルカリポイントが付与されるので少しお得です。
さらに時期によっては、別のクーポンも追加されます。2020年12月25日までだと、ローソンのカフェラテ(M)ホット無料クーポンがもらえますね。
注意点ですが、招待コードはPC等のブラウザ版のメルカリでは使用できません。招待コードを使われる際には、スマホアプリから新規登録してください。
なお、新規登録の時に招待コードを入力する画面は以下です。招待コードを入力せずに新規会員登録するとポイント等は付与されず、やり直しもできないのでご注意ください。
受験本番での留意点
試験本番での留意事項ですが、特にはありません。ただ、PCでの試験が初めての方もいると思いますので補足ですが、PCでの解答作業は全然簡単です。
試験開始時に指示通りに画面をクリックしていくだけです。また、PCでの解答はいったんすべての解答が終了した後でも、あとで見直して修正することも可能です。
試験時には、A4サイズ位のボートとマーカーを貸してくれますので、計算問題(あまり必要にはならないとは思いますが)等での計算に使えます。
途中、早く終わった人から退席していきますが、気にせず自分が納得するまで解くようにしましょう。慌てる必要はありません。私も最後まで粘ってました(笑)
補足事項
初学者の方にお伝えしたいこと
完全な初学者の方にとって、情報処理試験は最初は非常にとっつきにくい試験だと思います。私も最初に学習したときにはあまりモチベーションが上がりませんでした。
ただ、私が初めて受験した頃は情報処理試験も一種、二種といったSE、プログラマー向けの試験しかなかったのですが、ITパスポートは非常に学習しやすくて良いと思います。
資格試験は、簡単なものから合格して、成功体験を積み自信をつけつつ上位の資格を目指した方がモチベーションも続くと思いますよ。ITパスポートはその意味でも良いと思います。
なお、今回の試験とは少し趣旨が異なりますが、もし今後、情報処理試験の上位資格等も学習されるのでしたら、以下の書籍が非常に参考になります。学習を効率化できる本として、一読をお勧めできる本です。
ITパスポート試験の合格発表、合格証
試験結果レポート
ITパスポート試験は、受験後2~3週後にWeb上でレポートを見ることができます。もっとできたかなと思ったのですが、結果はご覧の通りあまり良くないです。。
技術系からは遠ざかっているので、マネジメント系のほうがやや良かったという感じですかね。でも、合格できてほっとしてます。

なんとか、合格できたにゃー!

やっぱり再教育が必要ね。。
なお、合格発表は受験日の翌月中旬にHP上に掲載されます。合格証はこんな感じです。参考までに。やはり合格証をもらえると嬉しいですね!
試験を終えて
SEの現場から離れて大分経ちますが、このような形で情報処理試験を受験するとは思いませんでした。いずれにしても、合格できてほっとしてます。
しばらくは、他の情報処理試験を受験する機会はないとは思いますが、ブログのネタとして、何か受験するかもしれません(笑)
本記事では、ITパスポート試験について書きました。本記事が読んで頂いた方に何か参考になれば幸いです。読んで頂いてありがとうございました。
他の取得した資格についても、参考にして頂ければと思います。
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