みなさんはマイコンについてどのようなイメージがあるでしょうか。結構難しそう、文系の素人にはとてもできない、、とか思われていないでしょうか?
最近は(というよりも結構前から)、マイコンも手軽にできるようになってきています。しかも、残念ながら?国産(日本)ではなく、海外製品です。
今回、ご紹介するのな、そんな海外発のマイコンとなります。私も初めて触れたときは、あまりの簡単さに驚きました。そして、値段も安い。マイコンってこんなにお手軽にできたんだ、という印象です。
Arduino(アルディーノ )とは
Arduinoは、イタリア発の小型のマイコンです。結構以前から広まっていたようですが、最近プログラミング教育を導入するとか、等の影響なのか露出が増えたような気がします。
以下、歴史とかですね。ちょっと長いですが参考までに。
Arduino(アルデュイーノ もしくは アルドゥイーノ)とは、(ハードウェアの)「Arduinoボード」(=AVRマイコン、入出力ポートを備えた基板)、および(ソフトウェアの)「Arduino IDE」(=C言語風の「Arduino言語」によってプログラムを制作・コンパイル・デバッグ等し、それをArduinoボードに転送 等々するための「統合開発環境」と呼ばれる、PC上で作動させる一種のソフトウェア)から構成されるシステムである。また「Arduino」という名称は広義には、それらの開発・改良を行う一連のプロジェクト、またその多くの開発者らによるコミュニティまでも指すことがある。
もともと2005年にイタリアで5人の人物によって、安価で簡便なデジタル制御装置を作り販売するプロジェクトとして「Arduinoプロジェクト」が立ち上がり、それがきわめて安価でオープンなものとして出来たおかげもあり、数年のうちに全世界に広く普及した。「Arduino IDE」の管理を行い開発コミュニティの窓口となる非営利団体Arduino Foundation、およびArduino関連品の販売の一元管理を行う営利団体Arduino Holdingが関わっている。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
https://ja.wikipedia.org/wiki/Arduino
なぜイタリア?と思いますよね。ワイン、チーズ、ファッション、恋愛(あ、これは関係ないか、)のイメージばかりありましたが。
でも、実は、かの有名なランボルギーニ、フェラーリもイタリアですし、結構高級車ってイタリア製ですよね(笑)。何気に職人気質、技術力、そしてデザイン力がある企業がある国なんですよね~。
Arduinoを生みだすことになった「Arduinoプロジェクト」は2005年にイタリアのイヴレーアでのen:Interaction Design Institute Ivrea (IDII)において始まった。当時、ロボットのデジタル制御装置の試作をするために学生が用いることが可能だったのは主にBASIC Stampであり、これは価格が当時$50ほどもし、これは(一般に、あまりお金を持っていないことが多い)学生たちにとっては相当な経済的負担だと感じられていた。もっと安価な制御装置の出現が望まれていたのである。
こうしたことを背景に、it:Massimo Banzi、David Cuartielles、Tom Igoe、Gianluca Martino、David Mellisという5人のグループが、「もっとシンプルに、もっと安価に、技術者でない学生でもデジタルなものを作ることができるようにする」という目的を据えた「Arduinoプロジェクト」を立ち上げた。この5人のグループが、当時 他者らによって検討されていた同様の目的の品々よりも、遥かに安価で簡単に使用できるものの開発に成功した。Arduinoボードは、2008年10月までに5万ユニット以上[6]が販売され、その後も順調に普及が進み、2011年2月までに約15万台、2013年時点で約70万台(公式分のみ。加えて、非公式クローンが同数以上販売されていると予測されている)販売された。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
https://ja.wikipedia.org/wiki/Arduino
いろいろな分野で利用されていて、結構シャアもあるようです。ちなみに検査すると結構いろいろな情報がでます。YouTubeでも動作させている動画を結構みかけますね。
ちなみにですが、プログラム作成はC言語がベースです。しかし、簡単に動作させることができる工夫があったり、開発ツールが使いやすく、同じC言語をベースにしているH8よりも、はるかに簡単にプログラミングできます。
Arduinoで、できること
Arudinoで、簡単にできることは以下のようなことです。
②アラーム音(人口合成音)を出力できる。
③入力データを計算して、結果を出力できる。
④温度、湿度、照度等のセンサーをつけて、データを収集できる。
⑤タッチパネル等をつけて、操作機能、表示機能が使える。
⑥無線、有線LAN等のネットワーク通信機能ができる。
これは、機能(最小)的なことなので、これらを組み合わせて、サービス、仕組みを作ると、以下のようなことができます。
①各部屋にデータ取得用のArduinoを設置して、温度、湿度センサーでデータを取得させ、無線通信で管理用のArduinoにデータを送信。
②管理用のArudinoは、各部屋に設置されているArduinoから送付されてくる一定期間のデータを保存。定期的に平均値等を計算して、リアルタイムで各部屋の温度や湿度を、グラフで表示して管理できるようにする。
③異常値がでたらLEDを点灯させたり、アラームを鳴らしたり、人工合成音で警告メッセージを出力する。
これで各部屋の空調管理みたいな仕組み、サービスが作れますね!
いわゆるIOT (Internet of Things)というやつですね。いろいろな物がネットワークにつながって便利になるという。
最近だと、これを農業に展開しているケースがありますね。畑とかの温度、湿度管理ができれば、作業の負担も減りますし、科学的にどうすれば作物がよく育つのかのデータも残せますしね。私も農業分野への展開は興味があります。
現在の主なマイコンについて
現在は、以下の3つが大きなシャアをもっています。詳細はわかりませんが、それぞれ有名です。用途は少し違う感じで、Arduinoと、Raspberry Piは趣味や比較的精度や品質が低くても許されるもの、H8は、自動車の制御装置とか結構シビアなところ、、みたいな感じですかね。
②Raspberry Pi(ラズベリー パイ)
③H8(国産です。)
Arudinoに関しましては、すでに触れておりますので、②Raspberry Piと、③H8に関して、簡単に捕捉しますね。
Raspberry Pi について
Raspberry Piは、雑誌等にも結構出ているので、ご存じの方も多いかもしれません。以下は概要です。
なお、プロセッサは、あのARM社のものです。ソフトバンクが3兆円あまりの出資をして買収したので、あまりに有名ですよね。
Raspberry Pi(ラズベリー パイ)は、ARMプロセッサを搭載したシングルボードコンピューター。イギリスのラズベリーパイ財団によって開発されている。日本では略称としてラズパイとも呼ばれる。
主に教育で利用することを想定しているが、IoTが隆盛した2010年代後半以降は、安価に入手できるIoT機器として趣味や業務に広く用いられている。IoT教育においては、ソフトウェア開発に強いRaspberry Piと、ハードウェア開発に強いArduinoの組み合わせが一般的である。
Raspberry Piは、かつてイギリスで教育用コンピュータとして普及したエイコーン社「BBC Micro(1981年)」の再来として、学校で基本的なコンピュータ科学の教育を促進することを意図している。Model A、Model Bという名称もBBC Microに由来しており、サポートされるコンピュータ言語の中にはBBC Microで利用されたBBC Basicも含まれており、ハードウェア的にはエイコーン社が開発したARMプロセッサを搭載している。また、エイコーンのオペレーティングシステム (OS) であるRISC OSも、Raspberry Pi用がRISC OS Open Limitedより公式リリースされている。 内蔵ハードディスクやソリッドステートドライブを搭載しない代わりに、SDメモリーカード(SDカード)又はmicroSDメモリーカード (microSD) を起動および長期保存用のストレージに利用する。
2013年10月31日までに累計200万台、2014年6月11日までに累計300万台、2015年2月18日までに累計500万台、2015年10月13日までに累計700万台、2016年2月29日までに累計800万台、2016年9月8日までに累計1,000万台、2016年11月25日までに累計1,100万台が販売された。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
https://ja.wikipedia.org/wiki/Raspberry_Pi
私は、Arduinoと、H8は使用したことがあるのですが、Raspberry Piに関しては実際に触ったことがありません。ただ、Arduinoよりも難易度は高く、Linuxベースの操作も必要になるので、ある程度のLinux知識が必要になるそうです。
また、Arduinoよりもいろいろ賢いようで、センター側で色々な処理をするところにRaspberry Piを使って、データ等を収集してセンターに送信するセンサー的なところでArduinoを使うような利用シーンが多いようです。
あとは、液晶ディスプレイもRaspberry Piの方が、より大きいもの(解像度やサイズ)が使えるようでしたね。
Arduinoにしても、Raspberry Piにしても、もともと教育用なのですよね。なので、価格も安く、いろいろなノウハウがWeb上にあふれているので初心者でも参考にできる情報が結構ありますし、勉強会やセミナーも盛んです。
国産のマイコン(H8)について
当然マイコンといえば、電子立国(もう古いかも、、)である我が国の国産のものがあります。H8という製品です。(日立、現在は、ルネサスエレクトロニクスが該当します。)以下は概要です。
H8シリーズは日立製作所(現在はルネサス エレクトロニクスとして分離)が開発したマイクロコントローラである。ターゲットは組み込み市場であり、様々な機能を内蔵した多岐な製品をシリーズ展開していた。形態としてはマスクROM版・ROMレス版のほかに、EPROMを内蔵したZTAT版のほか、フラッシュメモリを内蔵したF-ZTAT版がある。
当初は8ビットCPUで、「H8」の名前のまま、16ビット・32ビットの後継シリーズが開発された。内部レジスタ幅は16ビットまたは32ビットで、データバスの幅によってビット数を分類している。
2013年現在、H8シリーズの生産・供給は続けられているものの、ルネサス エレクトロニクスの会社統合による製品ラインナップの整理により、今後の新製品の開発予定は無いとされる。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
https://ja.wikipedia.org/wiki/H8
H8も触ってみたのですが、プログラミングで使用するのは、基本的にC言語です。また、ArudinoよりもHWの組み立てやプログラミングが難しい感じです。
そのぶんですが、細かい設定ができるので玄人向きであり、正確さが必要な場合にはこちらが使われるのだと思います。自動車等の制御用に使われていますので、当然、精度や安定性、信頼性が求められますからね。
ただ、一般の方が趣味が学習でH8を使うということは、今後あまりないとは思います。公開されている情報も少ないのので、やはり難易度は高いと思います。
検索しても、ArduinoやRaspberry Piの方が圧倒的に検索結果がでますので、その分情報が入りやすく、必然的に学習する際の難易度も下がります。まあ、触っている人数が圧倒的に違うということですね。
そして、触っているひとが多いということは、モジュール等を開発しているベンダー等も色々な商品をやすく多く提供できますから、環境はさらに良くなります。
また、Arduinoはモジュール(タッチパネルや通信モジュール等)を提供するベンダーさんの方で、組込みや動作させるためのプログラムを結構用意していくれているので、初心者が機能を追加、拡張するのが楽なところも魅力です。
Arduinoを始めるときに必要なもの
Arduinoを始めるにあたり必要なものは以下です。なお、参考にさせて頂いているサイトは、秋月電子通商のサイトです。
ここは、知る人ぞ知る電子部品の商社さんで、電気・電子関係の仕事に従事されていう方に非常に認知度が高いです。なお、秋葉原に販売店舗がありますので、直接見たり手に取ったりすることも可能です。
なお、以下でご紹介している製品・価格は、2019年5月時点でのものです。価格は変動する可能性もあり、部品の在庫、型番も変わる可能性もありますので最新のものは、上記の秋月電子通商のHPでご確認ください。
・Arduino本体
(これは一番小さいものですが、3,000円位です。)
出典:秋月電子通商HPより
http://akizukidenshi.com/catalog/g/gM-07385/
以下は、Arduinoと接続するためのケーブルや接続する機器です。
・ブレッドボード本体(200円位です。)
いわゆる、「はんだごて」を使わないで気軽に電子回路を作れるものです。初心者にはありがたいです。
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出典:秋月電子通商HPより
http://akizukidenshi.com/catalog/g/gP-05294/
・ブレッドボード・ジャンパワイヤー(18本で180円位です。)
Arduino本体や、ブレッドボード等での回路接続用に使うものです。
出典:秋月電子通商HPより
http://akizukidenshi.com/catalog/g/gC-05371/
・高精度温湿度センサモジュールキット(1個:950円)
ブレッドボードに接続して使います。精度が良くてビックしました。。
出典:秋月電子通商HPより
http://akizukidenshi.com/catalog/g/gK-12125/
・圧電スピーカー(2個入りで、100円です。)
一番簡易なものですが、ブザー音がだせます。出典:秋月電子通商HPより
http://akizukidenshi.com/catalog/g/gP-01251/
・高輝度3mm白色LED(1個10円位です。)
実はこんなに安かったのですね、結構明るいです(笑)。
出典:秋月電子通商HPより
http://akizukidenshi.com/catalog/g/gI-09851/
上記以外にも、光感知、音波センサー、無線等の通信モジュール、合成音声モジュール等、結構いろいろあります。タッチパネルも別売りでありますね。
あとは、プログラムを記述するソフトウェア(無料で配布されています。)をインストールするPCも必要になります。
ただ、初心者の方はいきなり購入するのではなく、セミナー等に参加して、どんなものかを触れてみるのが良いと思います。いろいろ調べれば近くの専門学校とか、最近ではいろいろなところで安価に受講できると思います。私も企業セミナーを受講しましたので、挫折はしなくてすみました(笑)。
あと、私が読んだ中で一番初心者に丁寧な書籍は以下となります。他にも書籍は結構ありますので、理解度に合わせて探してみると良いと思います。
なお、以下の本(三冊)は参考情報ということで記載しておきます。(Arduinoでできることをイメージして頂ければと思います。)
別の記事でも書きましたが、プログラミングはアウトプット(計算、表示、動作、データ収集等)がないと面白くないため、飽きるし勉強する気にもならないと思います。
なので、C言語を勉強された方で次にステップにいってみたい、あるいはプログラミングをもっと活用してみたいという方は、マイコンをためしてみるのもありだと思います。
Arduinoは、本当に簡単に始められますし、入門書も定番かつ非常に分かり易いものがありますので、結構楽に楽しめますよ。私も時間ができたら、Arudinoの基礎的なところの記事や動画を作成してアップしていきたいと思います。